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zoom RSS 山登ってみよう【縦走東海自然歩道・岩巣山】

<<   作成日時 : 2013/01/16 21:35   >>

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画像 岩巣山は、瀬戸市郊外に位置する480.5mの山だ。かつての愛知万博の際、当初の会場予定地にはされていたものの、オオタカの営巣地であることが分かり、最終的に造成工事を免れた海上の森にも近いというが、私はこの辺りの地理に暗いため、どの程度近いのかは直感的に分かりにくい。岩巣山は、今回の山行の前半で通過してきた高根山・山星山よりは、一回りか二回りほど高く、恵那や三河方面の山々との連なりもイメージしやすいため、より山登りらしい道行きを期待できる。反面で、東海自然歩道の本線上に位置していた二座の山に対し、こちらは脇道にそれたところにあるため、自然歩道そのもののガイドを眺めても、名前は出てこないことが多い。

 岩巣山の登山口は、白岩の里の南にある。「白岩の里」というネーミングは、なにやら叙情的な香りを漂わせているが、今となってはごく普通の農村集落のように見える。特に注目に値する民俗誌のようなものが残されているのか、それは定かではないが、それなりに人の生活の気配があるこの地域ですら、2年ほど前にクマらしき動物が出没したのだそうだ。ここまでの道中、「クマ注意」は数え切れないほどに目にしてきたが、物によって確認年月日がまちまちなのが恐怖である。つまり、ある一時に一斉に張り出された物が、今に至るまで何となく残っているのではなくて、しばしば新しい物が追加されたり張り替えられたりしていると言うことだ。

 岩巣山登山のガイド本としたのは、「愛知の130山」である。コースの概念図を見ると、「白岩町」の地名がしっかり表示されており、ついに岩巣山を射程圏内にとらえた感じである。もっとも、ガイドされているコース順路は、岩屋堂側から登って白岩の里へ抜けるものになっている。今回の私の行程は、それを逆に辿る形になる。

 定光寺駅を出発して約3時間。13時を少しだけ回ったところから、岩巣山登山をスタート。定光寺近辺の道が何だったのかと思うくらい、普通の山道である。ただ、道標や看板の類がしっかりしているのは、実に東海自然歩道らしい。今日ここまでの道のり、何度か「喫煙所」と言う表記を目にしているが、ついにその実物らしき物を見つけられなかったのだけは気になるが、今の時代にそぐわないと、喫煙所のほうが撤去されてしまったと言うことなのだろうか。まあ、山中や森の中に喫煙所があったと言うそちらの方が、今となっては空恐ろしくもある。

画像 今回私は、岩巣山北麓からその頂を目指す。「愛知の130山」には、ミニ渓谷の道と表記されているが、確かにそんな雰囲気の道だ。まあミニとは言え渓谷と表現するのは大げさな気もするが、小さなせせらぎの傍らを、石段の道が伸びていく。標高から言っても、岩巣山の山体はそんなに大きな物ではないが、それでもこれだけの水の流れが出来るのは、むしろ立派な物なのかもしれない。このミニ渓谷の道は、易しい登りが続いた今日の道中にあっては、もっとも長い登りとなった。15分あまり登ったところで、明るい稜線上へ出た。日差しは大分弱まっているが、日影だったここまでの登りに比べれば、気持ちも明るくなる。

画像 この稜線上の道を5分と歩かないうちに、岩巣山への道との分岐点に差し掛かった。まあ分岐点とは言ってみたものの、山頂への道はもともとまともに整備された登山道であったようには思えない。自然歩道のコース上に立てられた道標の裏へと延びていくその道は、当の道標自身からは歯牙にもかけられておらず、誰かがマジック手書きで「岩巣山」と書き入れている。のみならず道標自身が分かれ道の入口に立ちふさがるように立っているあたり、元来が単なる踏み跡だったように思える。

画像 山頂までは、分岐点から10分かからない。花崗岩質の山らしい、白砂のようなアップダウンを行くと、三角点のある岩巣山山頂にたどり着く。狭い山頂で、展望は無く、地元の山岳会か何かの団体が設置したらしい山名票があるだけだ。展望ポイントとなるのは、山頂から少し離れたところにある岩場の方だ。従って、この山頂も単なる通過点みたいな扱いに甘んじている山頂ということになるのかもしれない。この岩場からは、瀬戸の街並みが、少し離れた場所に箱庭のように見える。同じ様な高さの丘陵が周辺に点在していて、微妙に視界に立ち入ってくるため、眼下に一望とは行かない。人里近さと山自体の標高のバランスを考えれば、こんな物だろう。優れた眺望に恵まれるのは、本線復帰後、少し行った所にある元岩巣の方である。街並みの見え方は似たような物だが、岩巣山山頂の遠景が映える。

画像 下りは、岩屋堂のほうへ進む。ガイド本では「急登」となっている。逆順にコースを辿っているため、急な登りではなく急な下りとなる箇所があるが、こうして歩いてみると、意外に高低差のある道だ。30分ほどかけてたどり着いた岩屋堂は、東海自然歩道上何kmも前からアナウンスされていたポイントにしては地味な史跡ではあるが、それでも周辺には、一昔前にはそれなりに観光地として鳴らしていたような雰囲気がある。

 さて、冒頭書いたとおり、最初の予定ではこの先雲興寺まで抜けるつもりでいたのだが、自然歩道本線が通行止めとなっているため、今日の山行はここで打ち切りにした。どうやら、沿線に私有地が含まれているからということのようだが、登山道の類が私有地の中を走っていることなど珍しくもない。地主からの苦情でもあったのだろうか。

 時計は14時半少し前。定光寺駅を出てから5時間は経っていないことになる。帰りのバスを捕まえるため、名鉄バス品野本町バス停の方へ向かって歩いていく時、左手の山を眺めてみたが、さほどには高くない。時間的にも体力的にも、これなら歩こうと思って歩けないこともなかったのだろうなと思った。

 さて、愛知県内の東海自然歩道も、気が付けばあっちこっちの区間を踏破するに至っている。次は八曽から内津峠もしくは定光寺までか、海老から棚山高原か。長らく懸案事項になっている寧比曽岳も東海自然歩道上の山(と言うのみならず本線と恵那ルートとの分岐点になる重要ポイントでもある)なのだが、これは着手までいま少し時間がかかるか。

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