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zoom RSS 山登ってみよう【御池岳】

<<   作成日時 : 2017/05/12 22:26   >>

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画像 5月5日はこどもの日。今やこれは常識。そこで今日は、童心に帰って前々から気になっていた御池岳に登ることにした。鈴鹿山脈で最も北に位置するこの山は、その最高峰でもあり、標高は1247mある。山頂付近は展望に恵まれるほか、独特の墓石地形が広がっている。ガイドブックによれば、タクシー利用やマイカーでのアクセスが勧められているが、子供はタクシーなんて使わないし、まして車の運転なんてできない。最寄り駅である西藤原駅から、疲れを知らない子供のように歩くことにした。

画像 早朝5時半に家を出て、そこから地下鉄、近鉄、愛岐鉄道に揺られること2時間半余り。西藤原の駅を歩き出した時には午前8時が間近くなっていた。ここからさらに国道に沿って歩き、登山口を目指す。国道306号は、三重県から鈴鹿山脈を越えて彦根市に至る国道だけれど、滋賀県側で土砂の崩落が発生しており、その復旧工事が完了していない。つまり、いなべ側から登っていった場合には行き止まりになっているだけというのが現状だ。なのになぜかこの道を行く車やバイクが多い。まあ、何割かは御池岳登山の人たちなのだろう。現在のところ、この国道には御池岳登山口へのアクセス路という意味以外には、実際的な存在価値がない。が、服装からして二輪の連中が山に登るとは思えない。上まで登って行き止まりになっていることが分かって引き返してくる車も多いが、滋賀県側に抜けられないことは峠の入り口を始め何か所かに表示されているので不注意のたまものなのだろうか。ナンバーを見ていると関西の車が多く、本当に何も知らずに突っ込んで行った感じの車も少なくない。車中を見ていると、ゴールデンウィークで行き当たりばったりの放浪旅をしているのかもしれない大学生みたいな連中が多い。ともあれ、車は滋賀県へのアクセスルートとして機能している時期に比べれば少ないのだと思う。歩道のあるような国道ではないので、車は少なくてありがたい。

画像 9:47、コグルミ谷登山口に到着。駅から2時間は歩いていない。考えてみれば、萩原御前山に飛騨萩原駅から登る場合のタイムテーブルと似たような感じなのだが、国道の登り坂は厳しいところがなく、だらだら歩きながら高度を稼いだというのが、偽らざる実感である。あまり面白い道のりではなかったので、はやる気持ちを抑えきれず、勇躍登山道に飛び込もうとしたら、そばにいた大人数のトレラン軍団に呼び止められた。写真を撮ってほしいのだそうだ。どうも間が悪い。大集団の、それもトレイルランナーとスタートのタイミングが同じになったのもあまり好ましいことではない。

 先に触れたとおりに御池岳周辺の国道沿いでは土砂崩れが発生しているのだけれど、実は豪雨に弱い土質なのか、登山道それ自体も過去に豪雨災害の被害を受けており、今回採用したコグルミ谷登山道が崩壊した。googleストリートビューの画像と現況を比較してみても様子が異なっており、この谷の開口部付近を走る国道も被害を受けたことがわかる。もともと谷あいの道だったこともあって、壊滅的だったようだが、最近になって踏み跡も付き、整備も行われて復旧が進み、一応は登山道として頼るに足る状態になった。今回使ったガイドはヤマケイの分県登山ガイド三重県版(改訂前)だが、これがどうも登山道崩壊前の内容となっているような感じだ。コース全体のレイアウトは読み取ることができるのだが、細かい情報が現地と違う。例えば長命水なんてぱっと目につくようなところにはなかった。もともとの登山口は左岸につけられていたようだが、現在の登山口は右岸にある。もっとも、念のためということで山と高原地図も持参したのだが、これに頼らざるを得ないような場面に遭遇することはなかった。何しろほとんど一本道で、よっぽどおかしな踏み跡を拾わない限りは迷いようがない。ただし、崩落した谷間の道には危なっかしいところも間々みられ、普通に歩く分にはさほど問題となるところもないが、うっかりバランスを崩して転倒しようものなら、その先は目測で10m弱程度の崖となっているようなところもしばしばある。コースとしては鞍掛峠近くから始まる登山道を取った方が信頼度が高いだろうし、そのコースをガイドする本も持っていたが、実際そうしなかったのは国道歩きが億劫だったからと言うだけの理由だった。

画像 コグルミ谷登山道は登山口から山頂までが最短のコースではあるけれど、そのためかかなり傾斜のきつい道となっている。登り始めから1時間はかなりの急斜面にじっくりと取り組んでいかなければならない。今回の反省点だったのだけれど、序盤で割と飛ばしてかかったので、この急坂の終わり近くで息切れに見舞われてしまった。そして、そんな坂道の終わり近くなって唐突に姿を現す「五合目」の看板。1から4合目までなどどこにもなかったのに。この調子であと5合も登らなければならないのかと、この山を甘く見てかかったことを後悔する。もっとも、登山口から新品の足で歩き始めたなら、傾斜が緩む6合目の天ヶ平まで一気に登って逃げ切れたかもしれない。遅めペースの先行パーティーのつかず離れず行ったことも影響し、6合目に到着したのは、スタートから約1時間後の10:50。かなり遅いペースである。

画像 しかし、長すぎる前半戦で苦労した甲斐もあり、道がなだらかになる6合目以降、気が付けば特に苦しさも覚えることなく歩けるようになっていた。7合目、8合目、9合目まではあっという間に過ぎ、いよいよ山頂が近いかと思いきや、9合目から10合目である山頂までは微妙に間隔が長い。5合目以前ほどではないにせよはっきりとした登り坂区間になっている影響もあるにはあるのかもしれないが、やっぱり距離が長く設定されているような気はする。この辺りまで来ると、雪がまだ解け残っていて、一部はコース上を半ばふさぐような形になっていた。初夏のような陽気なのでぐずぐずの腐れ雪となっているが、意外と滑る。注意しながら進み、11:34、山頂に立った。石灰岩の転がる、いかにもカレンフェルト地形という雰囲気の山頂である。ガイドによれば、養老山系が見える程度で展望には恵まれない山頂だとされているが、これで展望がだめだといわれては、もっと見るべきもののない山の立つ瀬がない。言うほど悪くはない眺めである。

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画像 が、それでもこのような評が出てくる背景には、この山中にもっと雄大な大展望が得られる場所があるからに他ならない。ボタンブチなどと呼ばれていて、滋賀県側に面する断崖の上の場所である。山頂周辺はカレンカレンしているので踏み跡が付きにくく、地形にも特徴がない。視界が利かなくなったら道に迷いそうな地形の最たるものという感じはするが、今日は幸い天気に恵まれているので、道に迷うことはなさそうだ。意外に登山者の姿が少ないのにも気をよくして、鼻歌を歌いながら進む。味がある(味がない)〜味がない(味がある)〜。

画像 ボタンブチには15分ほどでたどり着いた。アルプスにあるような峨々たる断崖絶壁ではないが、急峻な斜面が谷側に向かって落ち込んでおり、うっかり足を滑らして転げ落ちたらただではすまなさそうな点では大差がない。一般に鈴鹿山脈は三重県側が急峻で滋賀県側がなだらかと言われるので、異質な地形なのかもしれない。ここからは遮るものがないので琵琶湖が見える。春の時期ではあるけれど、さほど春霞もひどくはなく、一応わりと明瞭に湖面を見て取れる。その手前に広がる町や田園は、たぶん彦根や多賀あたりのそれなのだろう。ただ、頭の中にある滋賀県地方の地図と眺望が結びつかない。平地の中にポコッと突き出た独立丘みたいなのが、安土城や観音寺城のある繖(きぬがさ)山なのかなという気はする。上から眺めてどうというより、どちらかと言うと、京都からの帰りなどに右手車窓に見た山に、今自分が立っているのだなあという思いのほうが強い。御池岳の山頂付近はテーブルランドなどと呼ばれるのだそうだ。平坦な地形がテーブルのようだからというところからきているのだろうが、逆にそれが特徴的な山容であり、今いるのはその縁あたりである。

画像 しばらく風景を眺める。時間がたっぷりあればしばらくぼーっとしていたい場所なのだけれど、ここから駅まで、さらに言えば家までの道のりが遠い。5時間はかかりそうだ。来た道を外さないよう、そこだけ気を付けながら、引き上げ。12:07にボタンブチを出発し登山口まで戻ったら13:17になっていた。

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 どうも、今日の行程のどこかで靴のソールがはがれたらしい。もともとは普通の山行用に履いていたものだが、古くなってきたのを機に、今日のような山道以外の歩行距離が長い計画の時に使うようにしていた。たぶん、東海自然歩道を歩くようになってダメージが加速した。当然、舗装道路は地道と違ってソールにとって過酷なものだったのだと思う。壊れて当たり前と言えば当たり前である。明日は、山靴を買いに行かなければならないかもしれない。アルプス狙いのような本格的な山行には、ちゃんとした靴を履いて行ってはいるが、その靴のサイズも微妙に合っていない気がする。できれば、つぶれた靴と同ポジションをこなせるようなものに買い替えられると良いが、何なら高山靴にとってかわれるようなものだと、なお都合が良い。ただ、値段はいかほどのものなのだろう。GW旅行で散財した後なのでそこが気にかかる。それでも、来週末には東海自然歩道柘植〜紫香楽宮跡という、これまた舗装区間が長いであろう長距離歩行をやるつもりなので靴は欲しい。

 さらに国道を引き返す。なんとなくわかったのだが、この道を滋賀県境方向に向かって走っている二輪は、走ることそれ自体を目的にしている。

 山中を歩いているうちは良かったのだけれど、同じ国道でも平地を貫く365号に入った後は、ぐんぐん上昇する気温とアスファルトからの照り返しに参る。暑い日になった。まだ5月だけれど、夏は確実に近づいているのだと思った。東海自然保津歩行でこの近くを通った時、コースをロストしているので何ならやり直しも考えていたが、この暑さだとその意欲もなくなる。前に来たのは凍てつくように寒い日だったので、あまりに違う雰囲気に戸惑いも覚える。

 西藤原駅に戻って15時。7時間の長い山行になった。まあ、舗装された国道を歩く時間が4時間を占めるアンバランスな行程だった。何なら藤原岳から縦走しても良かったのだろうか。そんなことを考え、かぶりを振る。それをするにはちょっとこのあたりの山の概念をつかみ切れていなかった。なら、それをある程度把握した次回以降は…。まあ、それを考えるのはまたの機会にしよう。乗客もまばらな列車は、ほどなくしてローカル線の終着駅を出発した。

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