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zoom RSS 山登ってみよう【縦走東海自然歩道・柘植〜紫香楽宮跡・前編】

<<   作成日時 : 2017/05/16 21:59   >>

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画像 京都の祭りの中でも格式の高い一群は、曜日の並びを考慮して祭日をずらしたりなどしない。5月の半ばにある葵祭はその好例で、雨でも降らない限りは毎年5月15日に開催される。2017年5月15日は月曜日なので、一般の観光客には見物しづらいタイミングなのだけれど、逆に言えば日曜に休暇を継げばどうとでもなるタイミングと言える。街中を練り歩く儀式と下賀茂神社での儀式の二段構えで構成されるこの祭り、御所を行列が出発するのは10時半なので朝から京都を目指しても十分と言えば十分なのだが、一応前夜入りを考え、そのためのネタとして、東海自然歩道の柘植〜紫香楽宮跡を歩いた後で一泊することにした。

 この区間には、いろいろ問題が多い。よく言われる通りに見どころが少ない一方、アクセスに難があり、本数の少ないバスをあてにしない方針を取るとなると、必然的に柘植駅と紫香楽宮跡駅の間の約30qを歩かざるを得なくなる。そうした場合に幸か不幸かと言ったところなのだが、道中に山らしい山はない。そのはずなのだが、紫香楽宮跡に近い新田集落から隼人橋の区間は、平成25年の台風18号の傷がいまだ癒えず、倒木やら洗堀やらのせいで通行注意の状態が続いているのだそうで、滋賀県のホームページでは注意喚起がなされている。ただ、逆に言えば「通行止めでない」「通行可能」とも言える。

 朝一番で行動を開始し、柘植駅に着いたのが午前8時半。何となく滋賀県の駅と言うイメージがあるが、三重県の駅である。関西線と草津線の乗換駅となっている比較的重要な駅であり、通過したことは過去に何度もある。以前の紫香楽宮跡〜石山寺区間歩行の際には乗り換えに使ったこともある。ただ、降り立つのは初めてだ。駅舎や小さいながら、一応は窓口もあるようで、田舎の駅としては柄が大きい。そんな駅で思いのほかに人の姿が見られたのは、近くにある余野公演に絡めて、つつじ祭ウォークというイベントが開催されるせいらしかった。このエリアでは有名なツツジの名所なのだそうである。

画像 本線ルートを目指すのであれば、まずはこの余野公園まで移動してから歩き出せば良いのだけれど、実はこの公園の間近で東海自然歩道は本線コースと奈良コースに分岐している。奈良コース側が以前歩いた山の辺の道につながるのだけれど、この奈良コースが柘植駅のわずかに南側を通っている。来る日?のためにこの奈良コースを通って余野公園まで移動してみようか。何にせよ、草津線の線路沿いにある余野公園も、一般道路はぐるっと回り道しないことにはアプローチ不可ときているので、軽い気持ちで方針決定したのだった。が、意外に距離がある。登り坂と言うほどの登り坂ではないが、軽く山道の様相を呈する中を歩いて、30分ほどかけて余野公園に到着。最初から思いのほか時間を取られた印象が強い。ツツジ見物は歩きながら済ませ、先を目指す。

画像 が、見どころのない本日のコースの洗礼は早くも始まっていた。大小の工場が立ち並ぶ一画を抜けた後、道は雑木林の中に進んでいく。まあ工場地帯の中を歩くよりはいいかと思いながら足を運ぶも、あまりにも単調である。自然の中と言えば聞こえはいいが、里山の中の風景は思いのほか変化が乏しい。進んでいるのかいないのかよくわからないまま歩き続けている中で、ゴルフコースの脇をかすめたりするのがわずかにアクセントとなる程度だ。東海自然歩道歩行の中でゴルフ場の近所を歩いたのはいつ以来だろう。たぶん、岐阜コースのとっつきたる鵜沼宿〜芥見を歩いた時以来だったが、あの区間も思い起こせば不毛な道のりだった。奇しくもそんなことを思い出す。

画像 その後、道は何度か一般道路と絡みながらも先に続いて行った。実は、これが今回の道のりを厄介にした要因の一つである。山の中の一本道なら指導標の本数が多少少なかろうが、設置場所のセンスが悪かろうが迷子になる恐れは少ないのだけれど、この界隈は街中でこそないが山奥でもない。農村と里山が連続する丘陵地帯の中を多くの道が走っており、そんな中に東海自然歩道も接続しているのだから、車の行きかう道を横断したり、時にその上を歩くことになったり、何かと結びつく場面が多い。問題は、幹線級の道路から外れて里道や山道に入る際の指導標が絶妙にわかりにくいことにあった。伊賀市東湯舟の東出界隈を歩いていた私は、その点には注意しながら先を目指していたが、いつしか道を外しつつあったことに気づいていなかった。沿道のおばあちゃんから「お散歩?」と聞かれ、若干苦笑交じりに「ハイキングです」などと応じながら、こういう風に声をかけられるのは東海自然歩道の沿線だからなのだろうななどと思っていた。優しげなおばあちゃんの物腰に、珍しくふれあいの旅を感じていたのも判断を誤らせていたのかもしれない。

 やがて、指導標や看板が沿道から姿を消した。様子がおかしいと思い、ガイドブックを取り出す。古いガイドなのも問題だが、それ以上にまずいのは掲載されている地図が割と大味だという点である。北が上でない地図だというのも始末が悪く、どちらが北なのかの表示もない。ただ、表示されている情報は周囲の状況とはかなり乖離がある。念のためにタブレットを取り出し、地図を確認。現在は、県道51号と50号が交差する交差点にいる。ここから、今日前半の目的地である伊勢廻(いせば)寺を目指そうとするとき、このまま道なりに歩いて行ってもむしろ遠ざかる方向になってしまう。どこかで道を間違えたと考えるよりないが、それがどこかはわからない。今になって検討してみるに、道を踏み外したのは奇しくもおばあちゃんと言葉を交わした直後、県道51号から右手上方に向かって細い生活道路が伸びていく箇所だったようだ。地図を見ると株式会社中島建築とある変形二叉路。いや、二叉路。と言ったものかどうか。とにかく、こちらに入っていけばほどなくガイドブックに見られる天神社にたどり着いていたはずだった。ただ、残念ながらタブレットで確認できる地図はスマホ仕様だったため、天神社などという小さな村社は表示されていなかった。となると、もう目印にするべきものがない。戻るにしてもどこまで戻ることになるのかよくわからない状態なので、大ワープになること覚悟の上で、どうにか伊勢廻寺方向に行きつけそうな道を選ぶことにした。

 20分ほど歩いて、奇跡的に山道の出口に立つ東海自然歩道の指導標に行き当たることができたが、再度ロスト。頼みの綱の指導標の表示内容を、今自分が歩いている車道沿いに直進の意味にとったのだが、今にして思えばそのはす向かいにあったこれまた小狭い坂道に進まなければならなかったのかもしれない。その後の進路は甚だ不明瞭だが、事後の確認によれば東海自然歩道はやがて県道775号に行き当たる経路をたどるらしかった。私は、もはや正規ルートを拾うことをあきらめ、滋賀県甲南町下馬杉地区に出た後、自然歩道っぽい田園地帯の道を歩くことにした。名前も知らない川沿いの道は、やがて伊勢廻寺近くに行き当たるはずだった。

画像 11:23、伊勢廻寺に到着。泥の海を泳ぐような、悪戦苦闘の前半戦が終わる。3時間歩いていたことになるのだけれど、あまりそういう達成感がない。とにかくどこをどう歩いているのかもよくわからないまま、気が付けばゴールしていた感じである。地図上に道を思い描きにくく、経由地として目立つポイントもないという砂をかむように味気ないコースだったので仕方のないところか。悪戦苦闘たどり着いた感のある伊勢廻寺も、意外と今風の構えをしていて、そこも何となく肩透かしと言う気はする。売りとなっているのはどうも、国指定重要文化財の仏像らしい。

 問題はもう一つあって、今回新たに靴を下したため、靴擦れが起こりつつあった。一応路傍休憩地ということになっている伊勢廻寺の境内で、脚の補修にかかる。どうも擦過傷と言うよりは、圧痛に悩まされているような感じである。外傷らしい外傷はできていない。また絆創膏を張り付けてはみたが、それで痛みが緩和されるでもない。むしろ、一時的に患部への刺激がやんだ後で、再び刺激が始まると、連続的に圧迫されるよりも痛みが増す。仕方がない。歩き続ける。ゴールまではまだ10q以上を残している。

つづく




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