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zoom RSS 山登ってみよう【蝶ヶ岳・序】

<<   作成日時 : 2017/07/18 20:59   >>

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画像 これまで準備を続けてきた槍ヶ岳登山だが、いよいよ最終段階に入る。下見である。訓練もさることながら、ある意味これが一番大事なのかもしれない。現地までの足、前泊の準備、コースの概略についてガイド本その他では得られない情報をつかみに行く。もちろん、どうせならそれ自体も山行であった方が良いので、今回は槍ヶ岳までの道のりを途中で外れ、蝶ヶ岳に登ることにする。一般には穂高の展望台として名高い。標高は2677m。日帰りできる山であるとされてはいるが、そういう場合、一般には安曇野側から登られることが多いようである。今回の私のように上高地から登ろうとすると、山行本体に対して登山口までのアプローチがやたら長い。

 登山口近くに前泊することを考える場合、一番つぶしが利くのはやはり平湯温泉だろう。ベストを言えば上高地のどこかに泊まれれば一番良いのだけれど、テントなんかはもっていないし、さりとて上高地の中に一人で泊まって値段負けしないようなホテルなどはない。だからと言って小屋みたいなところには泊まりたくないと言っていると、上高地から押し出されるわけだが、そうしたときに平湯温泉には予約なしで泊まれる穂高荘倶楽部山がの湯がある。

 この基本方針を採用するとして、あとは平湯温泉まで行くのに松本から行くのが良いか高山から行くのが良いかと言う選択肢がある。利便性の松本、コストパフォーマンスの高山と言った感じで、所要時間はそんなに変わらない。どちらから行ったとしても平湯温泉までは3〜4時間コースとなる。今回は高山周りを選んでみた。特急でさえも本数が少ないので、午後一番早い高速バスを使うことになった。午前中で仕事を切り上げてギリギリ間に合うといった感じなので、やや余裕のなさは感じるところだけれど、とにかく16時前に高山濃飛バスセンターについた。結果的にはと言う話でしかないのだが、大気の不安定な状態が続く今日この頃、狭隘な山岳部を走る高山本線や中央線の特急に比べれば、東海北陸道を行く高速バスは悪天には強そうで、ここは心強かったと思う。どこまで確定情報なのかよくわからないが、同乗の客の中には雨で電車が止まったとかどうとか言っている者もいた。

 とにかく高山さえについてしまえば、こちらのものである。後は、路線バスに1時間ほど揺られて平湯温泉まで移動すればよい。ところが、ここでちょっとしたアクシデントに見舞われる。目当てのバスが出るまで1時間弱の猶予があったので高山の街中を歩いてみようと思い立ち、バスセンターを出ようとしたとき、その一画に登山用のザックがうずたかく積まれていた。あまり見ていて気持ちの良い光景ではなかったが、1時間ほど街中を流して戻ってきたところ、その持ち主たちが列をなしてバスを待っていた。人数が多いのもさることながら、めいめいが大荷物を抱えているものだから、バス乗り場はちょっとした混乱状態である。彼らのボリュームは田舎の路線バスが飲み込めるキャパを明らかに超えており、可憐な濃飛女子対応に追われているのが気の毒だ。はたで聞いていると、どうも20人くらいの団体でバスに乗るというのに、まともにバス会社に連絡を取っていなかったらしい。人騒がせな。結局、臨時のバスを増発させるとかさせないとかの話になったらしく、この非常識な団体はその増発便に隔離されて先を目指すことになったようだ。

 ところがこの集団、新穂高か上高地にでも行くのかと思っていたら、平湯温泉で再度集結し、温泉街のほうに向かって歩き出していった。猛烈に嫌な予感がする。果たして、彼らの向かった先は穂高荘倶楽部だった。しかし高山での一件からも明らかなように、彼らはここでもまた飛び込みで施設を利用しようとしたらしい。幸い、施設側がこういった利用に対して割と辛めの態度で応対したらしく、私の一晩の安寧は保たれた。彼らは、一応入館自体を断られることこそなかったようだけれど、どうもほかの一般客の迷惑にならない範囲で受け入れられたものでしかなさそうだった。大浴場にも食事処にもロッカールームにも仮眠室にも彼らの姿はなく、レストスペースでめいめい大荷物を抱え込んで一夜を明かすという異様な光景を作り出していた。

 まあ、こういう利用の仕方だと逆に一般客がテレビを見れなくなるのだけれど、私の方は幸いに、予約なしであったにもかかわらず特別仮眠室が一枠だけ空いていたので、そちらでくつろぐことができた。特に、こちらが使えたということはスマホの充電ができたのが大きい。にしても、くだんの大集団だが、どうもぱっとしないリーダーと、それにくっついていくだけの構成員と言う、バランスの悪い編成となっているらしい。どうも世知に欠ける中高年と大学生みたいな連中の混成らしく、どういう素性なのか想像もできない。ただ、吾妻連峰雪山遭難事故ではないけれど、計画の粗雑さが一因となって時間をロスし、それが遠因の遭難するようなケースは往々にしてある。他山の石とせねばならないところだろう。

 そしてこの日の穂高別荘泊まりでいくつか重要な知見を得た。ここのロッカーは一応登山用のザックが入る。テント泊まり縦走とかでなければ、ではあるが。そしてこの施設、365日営業であるかのように見せかけて木曜定休らしい。折りしも私が槍ヶ岳決行に向けた前泊に利用としていたのが木曜日のこと。この点で計画の修正を余儀なくされたが、当日平湯まで来て施設が開いてないとなったら目も当てられない。まあ平日なので、金さえあれば奥飛騨温泉のどこかの旅館か民宿かをあてがってもらうことはできただろうけれど。

 翌朝。迷惑集団と再度行動方針がバッティングするとやだなと思い、かなり早くに宿を出て平湯バスターミナルに向かう。上高地に向かう初バスまではまだ30分ほどがある午前4時半と言うタイミング。実は上高地行のバスは平湯温泉のさらに上方に位置するアカンダナ駐車場が始発となっており、ハイシーズンにはここを出る時点で満車になってしまうことも珍しくない。そこにさらにわけのわからない団体が乗ってきたらいよいよ収拾がつかなくなることを危惧したのだった。連中は行動開始の素振りすら見せていなかった。ちょっとナーバスになりすぎたかなと思う。

 その反面、運行会社である濃飛バスはアカンダナ駐車場を出るバスと連絡を取り合いながら、場合によっては増便を出す算段もしている。昨日の濃飛女子と言い、この会社は頼りになる。それに平湯バスターミナルの片隅に空車表示のタクシーが一台だけ停まっていたのは、これはこれで発見だった。ただし、平湯には二軒ほどタクシーの営業所があるけれど、こちらは時間が時間なのでまったく稼働している気配がなかった。事前に相談した場合、タイミングさえあれば、以前の私がもくろんでいたように日の出ごろに新穂高までタクシーで送り込んでもらうということも聞いてもらえないではないのかもしれない。

つづく




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