ディープ・ダンジョン〜夕庵〜

アクセスカウンタ

zoom RSS 駅の思い出と取り残しの城(後編)

<<   作成日時 : 2017/08/02 19:50   >>

トラックバック 1 / コメント 0

 東京の始発はびっくりするほどに早く、それに合わせて行動を開始することも考えられた。夏ともなれば夜明けは早く、未明と言いたいような時間帯でも外はすでに明るい。5時前に寝床から起きだし、チェックアウトを済ませ、早朝の街に出る。まず目指すは東京駅。駅の思い出を集める関係で、今日最初の目的地である八王子駅までの起点は東京駅である必要があった。要するに中央線を端から攻めたかったのだけれど、よくよく考えてみれば、昨日の行程で中央線は小淵沢までつなげて途絶してしまっている。小海線や信越本線を取ったことに意味はあったのだけれど、中央線が西端から東端までつながらなかったのはうまくなかった気もする。まあ、塩尻から甲府までつなげるのはたやすいし、甲府から新宿までつなげるのも難しくはないので、マニアック路線を二つ乗り切ったことの方が意義深いのかもしれない。それに、東海自然歩道旅の締めくくりは高尾駅となる予定だし。

 とにかく、中央線に乗る。電車を降りる八王子駅は、高尾駅より二つ東京寄りの駅である。ここからバスで15分ほどのところにある滝山城に足を運ぶことにする。

画像滝山城
 滝山城はもともと、山内上杉氏系の城だった。しかし小田原北条氏三代・氏康が河越夜戦に勝利し、本格的な関東支配に乗り出すのに前後し、その属城となった。後に北条氏によって大改修され、この地域における北条市の一大拠点と化していった。すでに訪れたことがある八王子城以前に、北条氏がこの地域の拠点として使用していたものだ。甲斐の武田氏を掣肘する目的の城であった事は想像に難くはないが、しかし滝山城は武田氏の猛威の前に予想外の脆さを垣間見せたため、軍事拠点としての比重は八王子城に移っていったと考えられている。
 現在の滝山城跡は、滝山自然公園となっている。史跡公園ではなく自然公園名目なのが頼りなくもあるが、鉄道駅からのアクセスが容易な都市近郊に位置しながら山城の痕跡をよく残している。曲輪跡の削平地や土塁の他、空堀跡などはかなり深く穿たれていたことが分かる。ただ、空堀をよく観察するなら、本当は冬枯れ時期の方が都合が良いのかもしれない。それでなくても夏場は下草が多く、特に雨中での訪問となったため、雨水に濡れた草に覆われた曲輪跡は、探索するのにあまり快適な環境とは言えない状態となっていた。

画像小机城
 滝山城の後、横浜線を南下してたどり着いた小机城も、前々から気になってはいた城だ。それがなかなか訪問実現の運びに至らなかったのは、東京からの帰路の一つとなる東海道線の道筋から外れていたことと、城自体が歴史的にさほど重要な意味を持たなかったことによる。もっとも、城跡は横浜線小机駅から徒歩で10分余りのところに位置していて、交通不便と言うほどではないので、つまるところは訴求力が弱かったということになるのかもしれない。
 ここも上杉氏系の城だったのが北条氏の軍門に下ったものだと考えられている。北条氏の本拠である小田原に比較的近いこともあって、この城が大規模な戦闘の舞台になったという形跡はない。現在は、滝山城址と同じように小机城址市民の森として整備されている。公園と言うよりは、里山整備と言う方が近いのだろうか。曲がりなりにも城跡なので、人為的な平地が多く、自生したものとは考えにくい竹林が目立つのも普通の里山とは違うところなのだが、竹は後世に植えられたもののような気がする。そのほかに土塁や空堀、櫓跡などが残る。独立丘に築かれた城はさほどには大きくなく、主だったところを見て歩いてもさほどの時間はかからなかった。

 2日で3城と言うのは、城攻め旅の成果としてはやや控えめなところなのだけれど、内容自体はさほど悪いものでなかったような気がする。この夏の18きっぷ旅の本命は8月末の東北への旅なのだけれど、本来秋田を軸にする旅行だったはずが、秋田での宿泊地確保に失敗したことで計画に暗雲が立ち込め始めているのには一抹の不満を感じるところだ。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
駅の思い出と取り残しの城(前編)
 聞くところによると、未来の世界では鉄道の衰退が進んでおり、とうとう現世で駅の思い出を集めなければならないところまで事態が深刻化してしまったのだという。そういうことろなれば、城攻めのために青春18きっぷを乱用し、ついに日本全国47都道府県を踏破するに至った私の出番と言うわけだ。惜しむらくは、これまでそんなことは全然知らずに鉄道を利用し続けてきたことだが、今回は続日本100名城選定記念の意味も込めて、龍岡城、滝山城(東京都)、小机城を制覇しつつ、思い出を集めに行くことにした。ちなみにルートと... ...続きを見る
ディープ・ダンジョン〜夕庵〜
2017/08/02 19:50

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
駅の思い出と取り残しの城(後編) ディープ・ダンジョン〜夕庵〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる