凶宅

 超がつくほど久しぶりに「うわごとのとなり」を更新した。大した更新量ではないし、更新した内容もブログで先行して取り上げたネタを拾い上げておいただけに過ぎないので、普通ならわざわざここで告知するほどの話ではない。ただ、今回ここで取り上げる本題もいくらかは「うわごと」と関連性があるので、そのついでと言うことで。

 さて本題。最近そろそろ引越しを考え始めている。そういうときに良く出てくる話題で、以前に数度掲示板で話題に上ったこともあったはずだが、不自然に安い賃貸住宅などは、実は前入居者が自殺していたりとか、殺人事件の現場になっていたりとか、いわゆる「いわくつき」の物件なのではないかと勘ぐられることが多く、そこから嘘か本当か分からない(と言うよりありもしない)怪談話の類が生まれることも多い。ホラードラマなんかの場合でさえも、新居で相次ぐ変事に不審を抱いた主人公が、部屋に隠された恐るべき秘密にたどり着き、呪わしい結末へと向かっていくタイプの話はいまだに絶滅してない。いつぞや話題にしたホテルの額縁と同じくらい、普遍性のあるモチーフだと言える。もっとも現実問題として、「入居者の自殺や事件死が発生した物件については、そのことを新しい借主に説明しなければならないルールが存在する」とは専門家の言。ルールに抜け道はあるにしても、である。

 一方、海を渡った香港では、そのようないわくつき物件は公明正大にその事実を明かされる。その代わり、アウトレット商品のように家賃がかなり安く設定される。そのため、昨今の世界的不況の中では設備の割りに安く住める家として人気が出ているのだそうだ。一応現地でもその種の物件は「凶宅」と呼ばれ、ネガティブイメージを伴ってはいるようなのだが、あちらの人たちは死や殺人に対する感覚が日本人に比べるとかなりドライで、前主がその部屋で迎えた悲惨な最期も、当該物件の致命的な欠陥にはなり得ないらしい。

 なお、「凶宅」に分類される物件の範疇には「隣がごみ置き場」「大通りに面している」といったものも含まれるらしい。後二者に関しては、日本人の感覚でも値引き幅次第では比較的すんなりと受容できそうだが、これと人死にとを同列かそれに近い感覚で受け取れるのは、文化だろうか。そして、困窮する日本人の感覚が香港人に追いつく日はやってくるのだろうか。

 2009年1月13日yahooニュースヘッドラインより。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック