狩りの季節

画像 駅の思い出を集めるという名目で人を旅へと駆り立てる悪魔のソシャゲが世に出てから久しいようだが、またしても詳細のよく分からないコラボイベントが開かれている。聖地巡礼に沸く関東・関西のそれぞれ10駅に行くと(ゲーム上で)豪華粗品をもらえるのだそうだ。ちょうど滋賀県平定に王手がかかった状態のまま放置していることだし、京都の紅葉が盛りを迎えようとしているしで、まずは足を運びやすい西を目指してみることにした。

 ちなみにミッション対象駅は、京阪石山駅、京都駅、伏見稲荷駅、六地蔵駅、京阪宇治駅、出町柳駅、修学院駅、大和西大寺駅、西宮北口駅、甲陽園駅の10駅。何の聖地なのか一駅として分からないが、確かなのは、京阪電鉄有利の割り振りとなっていること、やたら京都に偏っていること、そしてなぜか大阪府内の駅がまったく対象になっていないということだ。

画像 まずはごく個人的な事情により、信楽高原鉄道で信楽駅まで行く。東海自然歩道歩行で紫香楽宮跡駅までは利用したことがあるが、紫香楽宮跡駅は全五駅程度しかないこの路線の最前衛に当たる駅である。それを終点まで乗るとのどくらいの時間がかかるのだろうかと思っていたら、貴生川駅から紫香楽宮跡駅までの道のりが遠いのに反し、それ以降の駅間距離はやたらに短いのだった。

画像 信楽といえば、何と言っても狸である。狸と言ってももちろん信楽焼きの置物だが、窯業の町として古くから知られているのだけは間違いない。駅を降りた後は、その焼き物の町をそぞろ歩こうと思っていたら、信楽駅周辺にはこれという観光資源もなさそうだった。せいぜい昔ながらの登り窯の以降が残されていたりといった程度のようである。信楽らしさを感じさせるものといえば、現に営業している焼き物の店もそうだが、これは焼き物の名産地として知られる土地なら大なり小なり共通した特徴とも言える。むしろ印象的だったのは、信楽駅のお土産コーナーの一画に信楽高原鉄道事故の事故車両のパーツが展示されていたことだった。

 信楽高原鉄道は、1時間に1本程度が列車が貴生川駅と信楽駅の間を行き来しているに過ぎない。1時間ほど信楽駅周辺で過ごした後は、京阪石山駅から京阪線に入り山科駅へ。これにて滋賀県平定はなった。こうして考えると、滋賀県内の鉄道路線は、近江鉄道線の一部を別にすれば、全て必要に迫られて乗車したことがある、ということになる。

画像 その後、イベントはイベントとして片付けたのだが、今回は紅葉もまずまず良かった。的にしたのは岩倉実相院と真如堂の二箇所。岩倉の地は京都市の郊外に位置し、大原ほどではないが山里のようにひっそり閑とした独特の雰囲気がある。深まる秋、めっきり冷え込んできてこの季節特有の侘び寂びが感じられる中に訪ねることになったのは僥倖だったと言える。全体に穴場的だったのも良い。ただ実相院では、有名な床紅葉をはじめ、建物内部の写真撮影に対して物々しいまでの防衛線が張られていたことについて、いくらか鼻白むものを感じないでもなかった。



画像 そして真如堂は、京都有数の紅葉の名所として知られる。個人的には、以前玉藻の前の成れの果てを見に行ったこともある。ありがたいのは無料で開放されているお寺だということで、紅葉する木の数は全国にその名を知られる名所に比べれば少ないのだけれど、地元でよく知られるだけのことはあり、ふらっと立ち寄って見物するには十分な見ごたえがある。まあ、もともと京都の街中から外れた岩倉から真如堂に足を運ぶのは多少面倒だったのだけれど。叡山電鉄や京都バスを使えば岩倉に行くこと自体は大して難しくもないが、岩倉と他地域が端的につながっていないのが辛い。

画像 それにしても、人間の欲の恐ろしいところで、ここで紅葉の成功体験を経験してしまうと、祇王寺などをはじめ、嵯峨野の全国的に有名な紅葉をもう一度見に行っても良いのではないかと思い始めてしまったのだった。

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