光のどけき春の日に

 東海自然歩道西部最後の区間は、いやにあっさり終わってしまった。本来であれば前回歩行の後半につなぐコースだったのを1日で歩くことにしたので、当然と言えば当然ではある。が、序盤のコース設定の良くわからなさと相まって、やり遂げた感が希薄なのは困ったものである。まあ、済んだことをくよくよしても仕方がない。今回の旅のもう一つのテーマ、花見を始めようと思う。

 今年の春は温かくなるのが平年より早く、桜の花の咲き始めも例年になく早かった。本来なら4月の半ばに御室桜と合わせて歩くつもりだった東海自然歩道を年度の変わり目に持ってくることになったのは、一つは18きっぷ旅のシーズンや年度替わりの仕事とかち合う心配が出てきたからなのだが、究極のところは早くしないと花が散ってしまうのではないかという危惧の一点に尽きた。

 そこで今回見て回ったのは、もともと予定していた御室桜に加え、京都ではメジャーな花見スポット円山公園、そして御室桜は微妙に早そうな気がしたので急遽追加した天龍寺の、豪華三本立てである。

 円山公園は、祇園の奥に控える八坂神社の、さらに奥に広がっている。子供や家族連れがいこうよくある都市公園ではなく、東山を借景とした庭園の広がるような、いかにも京都らしいたたずまいを見せる公園だ。普段は人でごった返すような場所でもなく、京都で時間を持て余した時はこの近辺を散歩することもあるが、今回ばかりは勝手が違った。出店が立ち並び、いかにも花見盛りの園内は、夜桜見物の客で大混雑していた。公園内には多くの桜が植えられているが、この公園を特に象徴するのは園内中ほどにある枝垂桜だろう。夜の人出があまりにもすごく、落ち着いて花見をする感じにはならなかったので、翌朝早朝にも改めて出かけてみた。

画像


画像


 御室仁和寺は真言宗御室派総本山だ。歴史は古く、寺号は仁和年間(9世紀末)に光孝天皇の勅願により建立されたことにちなむ。皇室にゆかりがある寺なので皇族とのゆかりが深く、寺宝も多いと見える。だからなのか、国立博物館で「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」という特別展も少し前に企画されており、これを見学しに行ったのをきっかけにして、今回は御室桜を見に行くことにした。ただ、一般的なソメイヨシノと比べて遅咲きの桜であり、例年だと4月の半ばころから見ごろを迎えるのだという。そのソメイヨシノの開花が早かったからと言って、エイプリルフールのころに行って花が咲いているのかどうかという懸念はあったが、予想通り、まだ咲き始めと言ったところだった。一部開花していたのが救いと言えば救いだった。

画像


画像


画像


 最後に天龍寺である。桜の名所としてすごく有名ということはないが、嵐山は四季折々の行楽に賑わう景勝地である。その一画にある名刹天龍寺も、花の時期はさぞ良かろうと思って行ってみたら、これはいい意味で予想通り、感じの良い庭となっていた。

画像


 今回は趣向を変えて花見メインで京都を歩いてみたが、普通の京都観光でもまだ消化しきれていないところが実はまだある。上賀茂神社と時代祭館 十二十二(トニトニ)がそれだ。私の京都旅行は、どこか行った翌日に充てられるパターンが多いので、岡崎と上賀茂を同時に取るのはなかなか厳しいものがある。何らか作戦はいるかもしれない。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック