ただ犬吠埼に行きたいだけの旅

愛知県に生まれ育ったものの悪癖として、東京も大阪も何となく等距離にありそうな気がしてしまう。実際、豊橋あたりからなら、それも当たらずと言えど遠からずと言ったところなのだけれど、名古屋からだといささか事情が異なる。名古屋から大阪まで、新幹線なら1時間程度、在来線なら2時間40分ほど。対する東京はと言うと、新幹線で1時間40分、在来線だと6時間半もかかってしまう。それでも何となく東京はそんなに遠くないという自己暗示にかかっているのが恐ろしいところなのだが、在来線でちんたら東京を目指した時に、朝一番で家を出ても東京に着くと昼を回っている事実を突きつけられ、慄然とすることがある。西に向かえば、そろそろ広島県に入れているくらいの時間帯である。思うに、静岡県が横に長い上に、県内を走る列車が軒並み普通列車ばかりだというところが良くないのだ。

経営的には苦境が続きつつも、それでも頑張っているという報道がなされる銚子電鉄。外川駅は、何となくそんな銚子電鉄の企業カラーに相応しい駅のように思えた。かなり年代物と思われる木造の駅舎にはハンドメイド感があり、味わい深い。まずはここから、先ほど通り過ぎてきた犬吠駅まで歩く。銚子でもこの界隈の雰囲気は、我が故郷にも近い渥美半島に似たものがある。かなりの広さのキャベツ畑が広がっているというせいもあるのかもしれないが、たぶん海岸段丘上に人々の生活の場があるというのが根本的な理由なのではないか。外海に面したこの地域だが、東日本大震災後よく目にするようになった海抜高度を表す表記は、意外にも20m以上の高さ
が示されている。過信はできないが、東日本大震災級の津波が来ても、破局的な被害は免れそうな高さではある。



その後、例のゲームのイベントをこなすために新宿、池袋へ。駅を集めるゲームのはずなのになぜか映画館に行く羽目になったのだが、その中でも比較的に駅に近く、しかも移動経路からさほど離れていない場所を選んで行ったらこういうことになった。池袋もさることながら、新宿駅は巨大すぎる。巨大すぎて駅の中で迷子になりそうだが、どうにか街角に出ることができた。新宿と言うと一昔前の歌舞伎町のイメージが強く、お上りさんが不用意に歩いているとぶっ殺されそうな恐ろしさがあるので、速やかに映画館を回収する。たまたま何かの祭りでもあったのか、多くの人が路上を行き交っていたのに助けられたのかもしれない。その後の池袋も同様の危険はあったが、どうにか事なきを得た。この上渋谷に行く必要に迫られたら心折れるところだったが、最後に山手線で御徒町側に回り込み、今日の宿りに選んだ横浜まで移動した。
横浜の宿としてセレクトしたのは、横浜駅からもさほどに離れていないグランパークイン横浜。カプセルホテルである。きれいな施設で価格も手ごろだ。接客態度も良い。その割に人の入りが少なかったのだが、比較的最近オープンしたためだろうか。横浜市内の観光の中心が横浜駅ではなく桜木町や関内だからというのもあるのかもしれない。横浜駅周辺は、地元の住民向けの高密度商業地区ではあるけれど、出張族の拠点となる新横浜駅は全然別のところにあるし、宿泊を要する人が集まってくる場所かと言えばそうでもないような気はする。強いて言うなら、スパ&カプセルホテルの名を冠していながら、浴場がいたって普通だったところは物足りないが、そこまで完璧を望みだすと、特に横浜と言う土地柄だと結構高くつきそうな気はする。
翌日は、横浜にちなむ路線を回収。意外にも二系統しかない横浜市営の地下鉄と、みなとみらい線、そしてシーサイドライン。これらの回収により、神奈川平定のめどが立った。神奈川を固められたとなると、関八州の制覇も視野に入れる時期に来ているということだが、まずはJRの制覇が当面の目標となるだろうか。現状の取得状況は以下のとおりである。
相模線
茅ヶ崎~橋本の路線。取得率は50%程度。
京浜東北線
余野を残すのみ。GPS不安定のためたまたま取れなかっただけ?わざわざ狙いに行く必要はない。
京葉線
東京~蘇我の路線。ほぼ未着手。
東北本線(宇都宮線)
土呂、東大宮、蓮田、宝積寺等、東北新幹線から取れなかった駅が残っている。ちなみに、ゲーム開始以前に完乗したことはある。
常磐線
新松戸が特急乗車時に取れなかったのみ。
埼京線
大半を他路線乗車時に取っているが、板橋、十条が残る。実は埼京線完乗経験はないような気がする。取りに行かないと取れない駅か。
武蔵野線
府中本町~南船橋の区間が残る。これも狙わなければ片付かなさそうだ。
成田線
つまみ食いを繰り返した結果、銚子~久住の区間が残った。
その他、路線延長に対して特に取得率が低い路線として、日光線。青梅線、両毛線がある。茅ヶ崎から相模線で北上し、さらに青梅線を取りつつ群馬まで進み、そこから両毛線に入るというのは考えられる。
18きっぷシーズンが終わっていく。駅だの路線だののことを傍らに置いておくとしても、最近足尾銅山に対する関心が高まっているので、次季は足尾から日光に抜けるルートをメインに据えた旅をしてみたいものだ。
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