中部国際空港第2ターミナルにて

これまでのあらすじ
 首里城焼亡の報に接した「私」は、気が付くと沖縄行の航空券を予約していた。

 だいぶ間が空いたが、焼け落ちる首里城のビジュアルは、なかなかに衝撃的なものがあった。事件の直後は、首里城が失われたことに落胆する地元沖縄の人の声が良く聞かれたけれど、わが身に置き換えて名古屋基準で考えると、名古屋城が火事で燃え尽きるようなものである。そう考えると、この一件が持つ意味合いが変わってくるような気はする。何百年も時を重ねてきた建物が消えてなくなるような、取り返しのつかない不可逆的な損失というわけでもなく、再建にかけた費用が丸々消えてなくなったという金銭的損失と、再再建に要する時間の長さがひたすらに重いだけということもできる。沖縄のアイコンが、当面の間一つ失われることになったのは間違いないが、だからと言って沖縄に見どころがなくなるというわけではない。実際今度の沖縄旅では、県立博物館、旧海軍司令部壕、平和記念公園、おきなわワールド、具志川城、糸数城、やちむん通りと言ったところを攻めようと思っている。知念城も悪くなさそうだが、交通の便を考えると、そこまで望むのはなかなか厳しいものがあると思われる。若干話が横道にそれたが、正味二日程度の時間があってまだ消化しきれないほどの見どころが、本島だけでもあるということだ。そう言えば、ゆいレールも延伸したという由々しき情報も耳にしているので、沖縄に行く用事は十分にある。

Centrairairport1.jpg ところで、今回も例によってジェットスターの便を予約したのだが、ホームページを見ていたらなんだか気になることを言っていた。曰く、中部国際空港のジェットスター発着便は、私が北海道に旅立った直後の2019年9月20日から、新しくできた第2ターミナルに移っていったのだという。せっかく飛行機の乗り方を覚えたというのに、冗談ではない。ぶっつけ本番で沖縄に行くわけにもいかないので、下見しに行くことにした。

Centrairairport2.jpg 名鉄中部国際空港駅の改札を出ると、いきなり今まではなかったはずの第2ターミナルの案内が目に入ってきた。これまで利用してきたところの第1ターミナルとは真逆の、見向きもしてこなかった方向にそれはあると言い、両ターミナルを使う航空会社の名がターミナル名の下に列挙されている。大まかに言って、大手は第1ターミナル、LCCは第2ターミナルということにしてしまって良いのだろうか。とりあえず、案内に従って進むと、いきなり屋根付きの長い屋外通路に通された。動く歩道はあるが、行き交う人並みにさえぎられることもあって、終わりが見えないほどに長い。東京駅の京葉線乗り換えくらいに遠い。武蔵小杉乗り換えばりに遠い。

Centrairairport3.jpg 歩くこと10分ほどで、ターミナルと思しき建物に入ったが、曲がりなりにも国際空港感があった第1ターミナルと違い、建物こそ新しいけれど、ちんまりやってる感が否めない。実はこの建物、フライトオブドリームズという「ボーイング787初号機の展示をメインとした新感覚飛行機テーマパーク」(公式HPより引用)の建物の一部で、カフェやらレストランやらの施設もあるにはあるが、フライトオブドリームズに付帯するもののようである。実際、第2ターミナルへの道はテーマパークへの道を外れ、なおも続いていた。ああ、第1ターミナルが遠い。

Centrairairport4.jpg もう一度屋外通路を出た先がようやく第2ターミナルだったが、第1に比べるとかなり簡素で、申し訳程度にある売店がもののあわれを誘うではないか。が、気を取り直して施設内の様子を伺う。幸い、ジェットスターのカウンターはすぐ目に付くところにあった。ロビーは、一目で全容を見渡せる程度の広さしかない。近くには、見慣れた発券機もあり、やること自体は第1ターミナル内にあった時と変わらなさそうだ。一つ気がかりなのは、手荷物検査場が見当たらなかったことだが、うろうろと館内を歩いてみたところ、隅っこの方でひっそりと存在しているのがわかり、何となく動線も見えた。大分雰囲気は変わってしまったけれど、一応見るべきものは見た。数枚、施設内の様子を写真に撮ってみたけれど、近々名古屋市内でG20の会合が開かれるタイミングで空港内の様子を怪しく嗅ぎまわっていると警官に取り押さえられそうな気がしたので、ほどほどのところで退散した。もっとも、各国要人がLCC用ターミナルを使うことはよもやあるまいが。

Centrairairport5.jpg 帰り際、第1ターミナルの方に寄り道してみた。かつてそこにあったジェットスターのカウンターは、空き家状態になっていた。なんかジェットスターと懇ろにし出したのは、LCCで唯一、那覇空港の辺境に降り立たずに済むところに理由があったような気がするのだが、旅立ちの場所はえらく隅っこの方になってしまった。駅から遠いし、時間をつぶすのにも都合が良くなさそうだが、まあ一度利用してみようとは思う。

この記事へのコメント