九州完結の旅・その5

 最終日。今回の旅の大目標は九州平定にあったので、昨日の福岡制覇をもって当初の目標は達成されたことになるのだけれど、ついでにもう一つ片づけておきたい案件があった。山口県平定である。一般に錦川鉄道が最大の難所とされる山口県だけれど、これは前回の九州旅行のついでに片づけている。その結果、美祢線だけが残った。

 美祢線もまた、すでに乗ったことがある路線である。と言いたいところなのだが、その判定には微妙なところが残る。今を去ること十年ほど前のことになると思うが、美祢線が豪雨被害に遭い、不通となったことがあった。実はこの折り、どうしても金子みすゞのふるさと・仙崎に行きたくなったので、美祢線の代行バスを利用して仙崎まで行った。目的地が仙崎だったこと、美祢線の線路沿いにずっと走れたわけではないこと、そもそも鉄道自体にそれほど興味がないことから、美祢線の記憶はほぼ何もないのだけれど、今回、何かの縁で美祢線方面に行く用事ができたので、乗ってみることにした。ゲームの攻略だけを考えると、山陽本線から南半分を、山陰本線から北半分をレーダーで取ることができそうなので、アイテム頼みなら比較的ちょろい路線なのだが、この機を逃すと美祢線に乗る機会は金輪際訪れないかもしれなかった。

 なお、実は山陰本線の島根県内の一部の駅(浜田~益田)を取り残しており、これは実際に乗らざるを得ないし、沿線に行ってみたい城跡もあるので、山陰本線コンプの機会はいずれやってきそうなのだが、ずっと山陰を進むのはつらいものがあるので、どこかで瀬戸内側に出る必要に迫られる。陰陽連絡の経路としては、美祢線より山口線の方が都合が良さそうだと思っている。

 まずは未明の博多駅を出発し、小倉、下関と進んで山陰本線に乗り換える。本線格とは言え、山陰本線の歩みは鈍く、距離のわりに時間がかかる旅路だ。海沿いを走る区間についてはそれなりに風光明媚なので、車窓の景色を慰めに、先を目指す。それにしても残念なのが天気の悪さだが、なんだか前にここに来た時も同じような天候の中を行ったような気がする。

 そして、長門市駅に到着。ここからかつての目的地仙崎までは山陰線から飛び出した盲腸線によって結ばれている。小さいなりにもターミナルの機能を果たす長門市駅で、ついに美祢線に乗り換え。およそ予想はついていたが、とりたてて景色の良い路線というわけでもない。ただただ、鄙びた山間を淡々と走り続ける路線だった。しかし、駅間が長いためか、思ったより快調に先に進んでいく感じがする。

 繰り返しになるが、今回の旅をもって、九州平定はなった。四国はすでに平定しており、東海・北陸・近畿も全て押さえている。北海道もこの間制覇したので、後残しているのは、岩手、秋田、宮城、山形、福島、新潟、茨木、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、岡山、鳥取、島根、沖縄の17都県。このうち、沖縄は近いうちに再戦に赴くことが決定している。東北地方も、今度の春の旅行で、毎度のことながらかなり厳しい旅程になるが、宮城県の沿岸部と、福島・新潟県境の路線以外は取る目途がついた。後に残るのは首都圏である。基本的に地方より列車本数が多いはずなので、乗り継ぎに頭を悩ますことは少なくなるはずだが、問題となるのは東京の地下鉄の複雑怪奇さと、大手私鉄が割のいい乗り放題きっぷを用意してくれていないことである。これまであまり意識せずともクリアできてしまった部分なだけに、戦略の練り直しは必要になるかもしれない。が、ここまで来たなら2020年中の全駅制覇か、せめて区切りとなる9100駅制覇まではこぎつけたいものだと思う。

 考え事をしているうちに、列車は厚狭駅に着いた。そこから広島駅までは、18きっぷの元を取るため在来線で移動し、そこから新幹線で名古屋まで戻った。博多発・長門市経由厚狭行で一応乗り放題負けはしていないはずなのだが、駅取り最優先で動いたため、初日と二日目の分が悪い。計算はしていないが、たぶんそうである。なんだか18きっぷにその役割を全うさせられて上げられないのは気の毒な気がした。

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