辛かった登りアワード

 遅筆というほどのこともないが、最近ブログ記事をアップするペースが落ちた。大体、旅行記系の記事をだらだらと書くせいである。叙述的な方向に徹することができればそうでもないのかもしれないが、何を見、何を聞いたかとともに、何を感じたかを残しておきたいと思うので、これらを全部乗せしようとすると時間がかかる。ただ、怪我の功名と言ったところか、そのおかげでアップする時期をいささか逸した旅行の記録とか山行記とかをアップしながら、ここ最近を食いつないでいる。まあ、今となっては自分の記録用のブログとなっているので、コンスタントに記事をアップし続ける意味もなくなっているのだけれど。

 ただ、さすがにそうしたネタも尽きてきた。で、何を書こうかと思ったときに、だいぶ前から構想だけあった過去の辛かった山登りのランキングをやろうと思い立つ。まず、登高距離の長さからして、ノミネートするにたる登りというと、大体アルプスに集約されることになる。これらのほか、一日の歩行距離が30㎞近くなる東海自然歩道+山登りの組み合わせで辛いことになったのも一度や二度ではないし、酷暑の夏場に低山に登るのも死にそうになるが、コースとしてマイナー過ぎ、際限がなくなってくるので、今回は割愛する。

 なお、北アルプス三大急登のうち、合戦尾根だけは登ったことがあるけれど、わりと簡単だったので今回は選外。三大の一角を担うことになっているのは、北アルプス入門コースとして、練度の低いハイカーの前に立ちはだかるコースだからといった背景もあるのかもしれない。

次点 鹿島槍ヶ岳(柏原新道)
 ごくオーソドックスな鹿島槍登山ルート。この山への登山道としては、一般に赤岩尾根の方がきついと言われているが、私がこの山で難儀した理由はただ一つ。朝一で名古屋を発っておいてからの登山開始で、少しでも時間を稼ぐため序盤をべらぼうに飛ばしたことによる。
 おかげで、冷池山荘までは4時間ほどで歩くことができたが、その代償があまりにも大きかったというところだろうか。種池山荘から冷池山荘まではわりとなだらかな稜線歩きのはずなのに、予想外の苦戦を強いられた。ちなみに、初めての本格的な小屋泊ま山行である。
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第5位 蝶ヶ岳(長塀尾根)
 徳澤から蝶ヶ岳の山頂を目指すためのコースである。蝶ヶ岳単独を安易に狙うなら、このだらだら坂か、より一層傾斜がきつい横尾からの道か、ほぼ二者択一の状態になると思う。一般に蝶ヶ岳は、表銀座方面から縦走の締めに踏まれることの多い山である。
 好事家の間では、長塀尾根が易しい道ではないという評も存在しているようだが、私が苦戦した最大の理由は、要するに甘く見ていたという一点に尽きる。気持ちの準備がなく、ペース配分も良く検討していなかったことが最大の敗因である。ただ、それでなくても、そこそこ急な坂が延々続く道であることには触れておく。

第4位 木曽駒ケ岳(将棊頭山往復)
 桂木場ルートから登って木曽駒ケ岳を目指すという、いわゆるクラシックルートをたどったのではなく、ロープウェイ側から木曽駒山頂を通って将棊頭山に方向に向かった。ロープウェイから木曽駒だけなら技術・体力共に初心者向けコースでしかないのだが、聖職の碑が見たかったので、ちょっと寄り道のつもりだった。
 これも、コースタイムこそわかっていたが、稜線歩きだろうと思っていたのが思いのほか難儀したパターン。最後、駒飼ノ池から宝剣山荘に向かう登り坂では泣きそうになった。入院するほどの病気による山行取りやめ、からのリベンジ登山という事情があったので、体力が落ちていたのが大きいのかもしれない。
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第3位 奥穂高(涸沢ルート)
 しばしば岩の殿堂と呼ばれる奥穂高を目指すもっともスタンダードなルート。上高地から槍を目指すよりも少し短くなるためか、1日で穂高岳山荘まで登って一泊、翌日奥穂高の山頂を踏んで下山というガイドをされていることが多い。穂先以外は特に危険なところのない槍ヶ岳登山とは対照的に、涸沢以降に難しめの道が続くコースでもある。
 笠ヶ岳の後だったこともあって涸沢までは気分よくすいすい登れたが、ザイテングラートの後半、冷たい雨に打たれながら、飲み物食べ物も口にせず、ろくに休憩も取らず登ったせいか、一気に疲労した思い出がある。なお、最後の難所である穂高岳山荘後の登りは悪天候のためクリアできなかった。
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第2位 笠ヶ岳(笠新道)
 山慣れた人からも、北アルプス三大急登並みに恐れられているという急登・笠新道。序盤は、景観もないつづら折れの急坂が延々続く。傾斜が出鱈目にきついというより、アップダウンも平たん路もなく、ひたすら登り続けるだけというところが味噌。杓子平が踊り場になっており、そこから弓折岳分岐までの登りが第2ステージのように立ちはだかる。樹林帯でゴールの見えない杓子平以前の評判が芳しくないが、杓子平まで出ればゴール地点が見える。余談だが、山マニアの間では槍よりも穂高よりも、笠に登ると一目置かれる風潮があるとかないとか。長丁場だが、道中に小屋がないので、撤退しない限りは登り始めたら一気に登り切るしかない。
 私の場合、ガスのためそのゴール地点が見えなかったことで精神をすり減らした気がする。まあ、評判通りに手ごわいコースだった。
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第1位 槍ヶ岳(槍沢ルート)
 一般的なガイド本だと、槍沢ロッヂに一泊、槍ヶ岳山荘等に一泊し、二泊三日で歩くコースとして紹介されていること多い道である。これを1日で歩いたのだから、楽であろうはずもない。反面、よく鍛えられた人がここを一日で歩くこと自体は珍しくない。上高地から20㎞弱、標高差1500mを一日で登ることになるため、長丁場となる反面で一気の激登りもないルートではある。
 槍の肩まで一気に登ったため、最終盤の200~300mの登りに大苦戦した思い出が鮮明に残るが、天気に恵まれて槍ヶ岳の勇姿を終始遠望しながらの苦闘でもあったので、楽しい山行だったと言って良いのだろう。
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 まとめていて気が付いたのだけれど、ナントカ急登とかいうのは、傾斜角が際立ってきついというより、押しなべて途中に中断ポイントのない長い登りのことを指しているような気がする。好き好んでロングコースを歩きたがる私の経験に基づいて順位付けしようとすると、どれも似たり寄ったりの登りとなってしまうのはそういう理由によるのかもしれない。

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