もっと諦めが肝心

 針ノ木峠にある針ノ木小屋は、今期営業しないのだという。もともと、小屋泊まりの必要のない山として選んだ針ノ木岳だが、詳しく事情を追ってみると、針ノ木小屋はアルプスならぬヒマラヤで活動しているのであろうネパール人のサポートによって運営されており、昨今の世界情勢では彼らの来日は望めず、荷上げもコース整備もままならぬ状態に追い込まれたのだそうだ。こうなるとまた事情が変わってくる。針ノ木岳方面に日帰りで向かう場合、普通に考えれば針ノ木雪渓に進路を取ることになるが、もともと技術的難度が高いとされる雪渓歩きで、コース整備も望めないとなると、もはや私の手には負えなくなる。裏銀座の代わりに選んだ針ノ木岳だが、これもあきらめなければならなくなった。

 となると、その代わりをどうしようという話になる。繰り返しの話になるが、すでに大町に宿を取っているので、そのアドバンテージは何らかの形で生かしたい。そこで考えた代案は、唐松岳、八方池、立山黒部アルペンルートである。この山行(ではなくなるかもしれないが)を取り巻く事情として、8月の頭に奥穂を予定しているので、その前に一度はアルプスの高峰に足を運んでおきたい思いがあり、それが終わった後の9月の連休に立山日帰りを考え始めてもいる。

 そういうわけで、第一優先は唐松岳である。頂上まで行くか、時間は大して変わらないが頂上山荘くらいまで行ってお茶を濁すかする。登り3時間、下り2時間程度の道のりなので、歩行時間だけで言うとこの間の東海自然歩道よりも楽な道ということにはなるが、痩せても枯れても北アルプスの山だ。空気もそろそろ薄くなってくるので、5年前にこの山に登った私は、それなりに苦労している。ただ、その後の5年間でそれなりに研鑽を積んできた成果がどの程度のものか計るくらいの意義はあるとも思う。

 しかし、一度登ったことのある山というのもまた事実だ。唐松岳は悪い山ではないが、今回のような事情でもなければ、積極的に再訪しようとするところでもない。天気がさえなければ、途中の八方池くらいまで歩いて、運が良ければ前回はフラれた白馬の峰々を池越しに見て満足できれば御の字という気もする。そして、帰りに大王わさび農場にでも寄る。

 で、八方池に行く意義にも疑問符がつきそうな天候だったら、比較的外れのなさそうな立山黒部アルペンルートにでも逃げることにする。難点は、通過するだけで結構いい値段になることと、場合によっては2か月後くらいにもう一度同じような場所に行くこと、富山側に抜けるとそのまま⑦北陸周りの旅をしたくなり、山装備と旅行装備でどのように折り合いをつけるのかに頭を悩まさなければならなくなること。もちろん、あまりに荒天だとアルペンルート自体が閉ざされる可能性もある。

 結局、当日のお天気次第といったところになるかもしれない。しばらくは今後の天候を注視したいところだが、そもそも直近で懸念されてる天災レベルの悪天候も気がかりではある。

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