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zoom RSS 山登って外伝【縦走東海自然歩道・猿投神社〜香嵐渓】

<<   作成日時 : 2014/02/23 20:58   >>

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 東海自然歩道は、東京都八王子市を発して大阪府箕面市に至る長さ1697kmの自然歩道だ。うち、愛知県コースは200kmあまりを占める。自然歩道なので、いわゆる山道とイコールではないのだけれど、自然の豊かなところとなると、やはり第一義的には山中なので、これまでの山行で東海自然歩道を辿ったことは何度かある。そうしたところ、愛知県内コースの半分ほどを踏破するに至っている。そしてそんな中、かなり長い未踏区間となっているのが猿投神社から田口までの間である。当然、1日で歩けるような距離ではない。しかし、何となくこれをつなげてみようと思い立つ。

 といったところで、挑戦してきたのが、猿投神社から香嵐渓までのコースだ。愛知県が発行している愛知県コースのリーフレットによると、全長28.4km、コースタイムで8時間45分の区間である。東海自然歩道公式のこの種の数字は、意外と当てにならないのも事実だが、今計算してみて、コースタイムはともかく、距離が思いのほか長かったのに驚いた。このことを事前に知っていたら萎縮していたに違いない。知らなくて良かったと思う。ただ、水平に移動する距離は長くても、道中に山というほどの山はない。そのため今回は、「山登ってみよう」正伝ではなく、外伝の扱いで行くことにする。

画像 午前7時過ぎに名古屋を出発し、鶴舞線から名鉄に接続する。そして、名鉄上豊田駅で下車。駅を出てすぐのバス停から豊田市のコミュニティバス・おいでんバスに乗り込む。そして猿投神社バス停で下車。乗車バス停が豊田市駅前だったこと以外は、猿投山登山の時と同じルートである。猿投山のときは、神社から猿投山に向かったが、今日は真逆の足助町方向を目指す。スタート時刻は8:10。

 猿投山登山道は、これぞ自然歩道という緑の中の道だったが、今日のコース最序盤は、普通の幹線道路沿いを歩く。県道から国道419号へと進み、そこから少し南に行ったところで、ようやく多くの車が行きかう表通りから外れることになる。ただ、道を折れた先は、里山の雰囲気ではあるものの、土建業者の土場みたいな施設も存在しており、あまり色気のある道ではない。そこも行き過ぎると、もう少し雑木林っぽい雰囲気の中を進むことになり、抜けた先が愛知県緑化センターになっている。なるほど、土場に比べれば確かに緑豊かな場所ではあるものの、今度は完璧に管理された公園という風情で、これまた自然とは少し違う気がする。

画像 自然歩道と園路の境界が分かりにくいが、要所要所にある道標を頼りに進んでいくと、道は緑化センターの核心部を抜け、町から離れる方向へ向かっていく。次なるチェックポイントらしい「田茂平」までの距離と所要時間が出るようになってきた。手持ちのコースガイドでは、「田茂平町」という表記になっている。何があるというのではなく、単に豊田市内の一町名に過ぎないらしい。実際、緑化センターを外れて、再び里山エリアに入ったその先には、特筆するほどの光景が広がっているわけでもなく、冬枯れの山林が続いていた。まあ、予想外に存在していた湿地帯が、一番目新しい物だったのだろうか。

 途中で一般道を突っ切った以外はこれというメリハリもなく、淡々と歩き続け、西広瀬に到着。今日のコースが長丁場となりそうだっただけに、展開次第では広瀬前後を打ち切りポイントにしようかとも考えていたのだけれど、時計を見ると10:11。まだスタートから2時間ほどしか経過していない。攻め継続を決定する。このペースで行くと勘八峡着は11時頃になるだろうか。

画像 道中、矢作川を挟んで二箇所の城跡があった。西広瀬城、広瀬城の二城である。ただ、いずれも規模は小さく、西広瀬城は傍らをスルー、広瀬城はコース経路に取り込まれていたので通過したものの、削平地形がそれらしいという以外は、特段印象に残る城跡ではなかった。どちらかと言うと2004年に廃線になった名鉄三河線の広瀬駅が印象的である。駅舎とホーム、そしてレールが保存されており、矢作川を渡りながら橋の側から見ると、まだ生きている駅のようでもある。

画像 広瀬界隈は、この前後では比較的民家の多い地区だ。ここを抜けて勘八峡に向かうに際して、一時的に雑木林を突っ切る箇所があるが、ここでコースを見失い、ひとしきり同じ様な場所をうろうろする事に。今日初めてのミスコースである。林の中の道はすぐ終わり、その先は一般道に接続している。道なりに進んでいくと猿投グリーンロードの上を渡る跨道橋に差し掛かり、猿投山が見えた。スタートからの歩行時間のわりにあまり離れたように見えないのは、蛇行しながら進むコースを歩いているためだろうか。

画像 道なりに緩い坂を下っていった先が勘八峡である。11:10の到着。名前のイメージから、天然の峡谷をイメージしていたのだけれど、湖自体は人造湖なのだそうだ。ここでまたミスコースをし、少し遠回りをしてから勘八牧場へ。緩やかな山道を登り、勘八山をやり過ごした先に牧場の土地があったが、肝心の家畜がいない。たまたまなのだろうが、時期的に三河広瀬駅周辺の廃線と前後して閉鎖されたものらしい。ただ現地の看板は、「市営勘八牧場 この牧場は昭和44年に造成され30haの草地と40haの林間に肉牛の繁殖と乳牛の育成を目的として、約60頭の牝牛が放牧されています。 環境庁 愛知県」と、過ぎ去りし日の記憶を伝えている。今は、一部が畑になっている他は、広くなだらかな丘陵地が広がるだけの場所だ。昼には少し早いが、今日のコースは休憩に適した場所が意外と少ないため、ここで昼食。

画像 勘八牧場を後にし、再び山道を進む。いつしか道はまた舗装道となっていた。勘八峡から牧場までで結構な高度を登っていた感覚があったので全く唐突だったのだけれど、道はほぼ高度を下げることなく千鳥町の集落につながっていた。東海自然歩道は集落の端をなぞるようにしてすぐ山の方へと向かうのだけれど、その道沿いにそれなりに由緒のある古刹らしい千鳥寺がある。そして、この地点でまたしてもミスコース。結論的には、道標が大島バス停の方向を示していた通り、民家の庭先を通り抜けるような道を辿るのが正解だったようだが、いくらなんでも抵抗があったため、千鳥寺の奥、霊園の方へ続く道へと進んでしまった。結果として正解ルートが霊園への舗装道とクロスする形になっていたため、自然歩道に復帰できた。しかし、この場所は本当に道が分かりづらい。

 再び山道を歩き、ゴルフ場のコース脇をかすめて山中町へ。山道を下ったところにある山村集落だ。集落への出入り口にイノシシよけの柵があるあたり、人間の生活域と野生動物の生活域が近接、あるいは交わるような場所なのだろう。大分山奥に踏み入ってきたということなのかもしれない。もう一山越えると、香嵐渓のある旧足助町だ。再びイノシシゲートを抜ける。今日の山道は、どういうわけか倒竹木が多い。先日の大雪の影響だろうか。

画像 5分ほど山道を登ったところで、元山中峠に到着。自然歩道として近年に整備された物というより、古道の説得力があるこの峠道は、さながら急転直下の急な傾斜を下りながら、大島バス停へ。おいでんバスのバス停である。豊田市街と香嵐渓をつなぐ路線のバス停である。いよいよ、香嵐渓を射程距離に捉えた。と言っても、まだ歩行距離にして5kmあまりがある。しかも、東海自然歩道はこの近辺で巴川左岸の峡隘路に入るため、一般道を歩くよりは進度が遅くなる。川面からの高さ、傾斜とも、断崖と言うに近いこの道は、長い登りこそないものの、細かいアップダウンが多く、蛇行もしている。そして、周囲は日当たりの良くない薄暗い林となっているため、歩いていて余り気持ちの良い道ではない。そういった事情も相まって、長く苦しい最後の一踏ん張りである。

画像 林間の道を抜けると、再び舗装道が始まりはしたが、少し進むうちに道路工事のため、今度は右岸へと迂回することに。こちらは普通の県道なので、そういう意味での愛想はないのだが、日差しがあり開放的なだけでもありがたい。各務原アルプスの時から引き続き、今日も本当に天気が良い。雲ひとつない青空なのだけれど、空の広さと高さを感じるような場面は少なかったかなと、今日のコースを振り返る。

画像 足助追分交差点に到着。国道153号との交差点である。塩の道と呼ばれた中馬街道あるいは飯田街道と、足助街道とも呼ばれる県道の交点であり分岐点である事から足助追分なのだろう。さすがに終わりが見えてきた中で、なじみのある国道沿いを歩こうかと言う気持ちもないではなかったが、最後にもう一度左岸に渡る。その昔は、ヘビセンターなんかもあったと言うこの区間を歩きぬいて、ビジターセンターにたどり着いた。時計は15時をわずかに過ぎていた。スタートから7時間、ほぼ歩き通しの1日だった。決して楽な道ではなく、道中でも到着予想時刻の上方修正・下方修正を何度か繰り返したものの、それでもこれだけの長距離を歩き抜いたことは自信につながる。

 来るべき香嵐渓〜寧比曽岳の歩行は、山から香嵐渓に下る行程を考えていたが、仮想燕山行として、香嵐渓から登ってみることにしてみようかと、そんなことも考えていた。こわばった足の筋肉を揉み解しながら、ビジターセンター前の看板で、寧比曽岳までの歩行距離が20km近いと表示されているのを見ると、それが容易ならざる思い付きであると言うことは分かる。まあ、結論を急ぐことはない。ひとまず宿題としておこうと思う。

 それにしても、ゴール後は「中馬のおひなさん」を見て行こうと目論んでいたのだけれど、さすがにその余裕はなかった。体力もそうだが、到着時間が当初の予定より1時間ほど遅れたのも影響している。一度のミスコースもなければ、あったのかもしれない。しかし、山でないこともあり、全般に単調なコースである。次はあるまい。

 足助からの戻りには、おいでんバスを使用した。足助追分から、広瀬、猿投と、今日のコースを逆回しのように辿り、浄水駅にたどり着く、40分ほどの路線である。所要時間を考えれば、文明の利器の偉大さを思わずにはいられない。

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