春の城

 今治近くの瀬戸内海に能島と言う名の小島がある。しまなみ海道沿いにある大島…からわずかに海を隔てて位置する島だが、無人島である。ここにはその昔、有名な村上水軍の本拠地があった。その名も能島城と言い、この城を本拠地としたのが能島村上氏である。著名な武将としては村上武吉を輩出しており、毛利氏の水軍としても知られる。が、先に書いた通り無人島なので、定期船で渡ることはできない。カヤックとか、その種の船を操る技術があれば個人でも海を渡れるのかもしれないが、一般にこの島の周辺は潮の流れがかなり速いと言われており、下手な考えは起こさない方が良さそうだ。が、そんな無人島に渡るチャンスが一年に一度だけある。なぜかこの島は桜の名所となっており、春の時期は花見客向けに臨時の渡し船が出るのだそうだ。

 そう言う島と城があること、そしてそういう島の事情は、早くから知っていた。が、年に一度しか見学のチャンスがやって来ないと言うのがネックになり、攻城についてはずっとペンディングになっていた。この春の18きっぷの使い方を考えるにあたり、ふと能島のことを思い出した。今治近くの島に行くのは簡単ではない。何しろ、18きっぷのみに頼ろうとすれば、今治に行くだけで日が暮れる。しかし、部分的に新幹線を使い、さらにはしまなみライナーを使うことで、どうにか午後の初めに大島まで移動することができそうなので、今回いよいよ能島城を狙ってみることにした。まあ、実のところ大三島狙いが頭の片隅にあったので、それの変形バージョンと言えなくはないが、どうも能島狙いの場合、用を済ませて広島県側に戻るだけで夕方になりそうな感じである。四国に渡ることも考えてみたのだけれど、大島からだと福山行しまなみライナーに乗ることはできても、今治行のそれには乗れなさそうだ。

 福山に戻ると、後はその日の泊りを広島側にするか、岡山側にするかという問題も生じるが、福山からさらに広島に移動すると、当然のことながら翌日の帰りの行程が長くなるだけである。広島でお好み焼きを食べるとか、久々に広島の街を見るとか、そこに意義を見出すことももちろん可能ではあるけれど、今回は岡山泊まりを前提に、計画を構築することになりそうだ。岡山を起点とすれば、翌日の行動を考えるときに中国・四国・関西の各方面を見据えることもできるし。一つだけ問題があるとすれば、岡山の都市規模がそんなに大きくはないと言うところくらいである。

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