山登ってみよう【データ収集の鳩吹山・継鹿尾山】

 鳩吹山は岐阜県可児市に、継鹿尾山は愛知県犬山市にある山だ。ともに低山で登りやすく、ハイキングには好適である。県こそ違えど隣り合うと言って良いような位置関係の山なので、別個に登られることもあれば縦走されることもある。かくいう私は、東海自然歩道がらみで継鹿尾山の方に登ったこともあるし、それとは関係なしに縦走したこともある。何より名古屋から近いのが良い。ただ、日帰り登山にしても易過ぎるのに引っかかりを覚え、積極的に狙っていく山でもない。一方でずっと気にもなっていた。この、気安く足を運べる二座の山を縦走した場合の運動強度はいかほどになるのか。今回は今後の参考とするべく、そのデータを収集するためにこれらの山を狙うことにした。

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 朝8時半に家を出て、名鉄可児線の可児川駅に着いたのが10時をちょっと過ぎた頃になった。近在の山の中でも、やはりかなり近い山だと言って良いだろう。ひとつ問題があるとすれば、最初に登る鳩吹山が、駅近傍から見てもかなり低い山だというのがわかることくらいか。稜線上に、小さく展望台のような休憩所のような東屋が見える。その東屋までは、もうひと頑張り程度の距離に思える。まだスタートもしていないのにもうひと頑張りというのは、いくら何でも考えものだが、今日は偵察登山と割り切って登ることにする。

 登山口は、織田信長の生母として知られる土田御前の故郷・土田城跡付近から始まる。「土田」と書いて、「どた」。城跡とは言いながら、遺構はびっくりするほど何もない。ただ石碑だけがあり、この付近から国道41号の高架部をくぐることで登山道が始まる。コースはいかにも里山道という雰囲気で、難儀なところもない。以前にも書いたが、この山は一昔ほど前に大きな山火事に見舞われ、はげ山みたいになったということである。今は大分植生も回復したが、樹齢の若い木が多いせいか、鬱蒼とした森林が広がるというより、明るい山道と言った雰囲気だ。

 そんなところを20分ほど登ると稜線上に出た。さらに20分ほど歩くと、鳩吹山の山頂だ。眺めはまずまずである。特に御嶽山を真正面に、北アルプス最南の乗鞍岳、中央アルプス、恵那山なども見える。冬場でないとこれらもきれいに見えないのではないかと思い、今回のアタックになったわけだが、御嶽がきれいに見えて、御嶽スキーの私としては胸をなでおろしたところだ。

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 繰り返しになるけれど、この山の木々はかつての山火事のせいで樹齢が若い。概して樹高が低いので、森林限界を超えるか超えないかの山のような雰囲気がある。もちろん、生えている木の種類はまるで違うので、よくよく見ると別物なのはわかってしまうのだが、雰囲気だけはある。そんな山をずんずん進む。このあたり、名にし負う日本ラインに面する山域なので、低山ながらに険しい山容を見せる一画もある。都市近郊ハイクのコースとして人気らしい理由の一つには、多様な表情を見せてくれるという点もあるのだろう。

 1時間ほど歩いて、鳩吹山と継鹿尾山の鞍部に到着。ここから先は東海自然歩道のコースで、少しばかり登り返す形になる。もちろん、すでに歩いたことのある区間で、もしかしたら東海自然歩道のコースの中で一番数多く歩いた道かもしれない。各地の、東海自然歩道として整備されたハイキングコースを歩いてきた今なら、自信を持ってこう言える。東海自然歩道愛知県コースは、実に優等生的に整備されたコースだと。林道はおろか、市街地郊外の生活道路をもって東海自然歩道としている府県のことを思えば、整備状況その他、良く行き届いたコースと言えるけれど、登山道としてやや単調なのも否めない。木段も多く、野趣あふれる山歩きというのとはちょっと気がする。

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 30分ほど歩いて、継鹿尾山の山頂に到着。何となく覚えていた以上にあっけない。過去に歩いたときは、そもそも東海自然歩道に進むつもりが無かったり、進むつもりで道を間違えたりしたけれど、今日はそのまま、寂光院に進む自然歩道のコースに入った。寂光院までは20分ほどで下った。紅葉の名所で鳴るこのお寺を過ぎれば、山歩き区間は終わりだ。ただ、最寄り駅となる犬山遊園駅までの歩きが意外と長い、さらに30分ほど歩いて、駅にたどり着いた。

 さて、そんなこんなで収集した鳩吹・継鹿尾のデータだが、期待していたよりもだいぶ強度が低かった。累積標高でもわずかに600mほどを登るコースに過ぎず、歩行距離も短い。金華山に登るのと大差はなさそうだ。やはり、近場の山という部分こそが最大の強みということになるだろうか。夏の高山に向けてがっつり登ろうという需要には向かないかもしれない。

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