アイアンカムイ・その5

 翌朝。つけっぱなしになっていたテレビからは、桝太一アナの声が流れていた。耳慣れたいつもの番組。始まったのは、アイドルグループがオリンピック競技に挑戦する趣向のコーナー。飛び起きる。このコーナーが始まるということは、7時が目前であることを意味する。寝過ごした。今日乗る予定の列車は、東室蘭駅7:18発の特急。慌てて身支度を済ませ、駅に向か…
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アイアンカムイ・その4

 駅の旅の朝は早い。朝が早いだけならともかく、夜が遅いのもつらい。昨日は結局、23時近くに場末感のあるカプセルホテルにチェックインした後、ラーメン横丁にある弟子屈で辛味噌ラーメンを食った。風邪でのどがやられていたので、辛味噌は鬼門となった。そこから風呂に入ったりしたので、眠りに着いたのは結局日付が変わるような頃合いのことだった。不幸中の…
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アイアンカムイ・その3

 朝方の光の中にまどろむ釧路駅は、思っていたよりは大きな駅だった。道東地域の要となる駅なので、それは当然なのかもしれないが、意外なことにまだ入口が解錠されていないらしく、駅前には十数人ほどの駅の戦士たちが集結しつつあった。なんだかかつて博多駅でも似たような光景を見た記憶があるが、釧路駅前にいる者は、どこからどう見ても完全無欠の駅戦士たち…
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アイアンカムイ・その2

 JR北海道は、平成28年11月18日付で、「当社単独では維持することが困難な線区」として、13の線区を公開している。少々長くなるが列挙していくと、札沼線(北海道医療大学~新十津川)、根室線(富良野~新得)、留萌線(深川~留萌)、宗谷線(名寄~稚内)、根室線(釧路~根室)、根室線(滝川~富良野)、室蘭線(沼ノ端~岩見沢)、釧網線(東釧路…
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アイアンカムイ・その1

 一般に、駅メモで全国制覇を目指すにあたり、最大の障壁となるのは北海道だと言われる。個人的には異論があって、乗り継ぎの悪さで言えば中国山地の方がより質が悪いと思っているのだけれど、とは言え北海道も、一筋縄で行く相手ではない。そんなわけで、中国攻略の前哨戦として、北海道と決着を着けに行くことにした。難敵はいくつかある。2016年の台風で致…
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【大都会】名古屋の駅地下で幻のアウトドアショップを見た

前回までのあらすじ ザイテングラートでずりずりしたらお尻が破れた。  自らの行いに恐怖しているところなのだけれど、9月3連休の八ヶ岳で小屋の予約をしてしまった。首都圏からも近く、それでなくても人気が高いと言われる八ヶ岳のしかも、赤岳鉱泉である。きれいと言われる小屋ながら、野戦病院のような状況に放り込まれることは今度こそ避けられそ…
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山登ってみよう【奥穂高岳・後編】

 朝が来た。どうせ雨がしとしと降り続くような天気だろうと高をくくっていたのに、窓の外を見てみるとどうも様子が違う。既に行動を開始し始めようとしている一部の登山者が、小屋前のテラスにたむろしているのだが、雨が降っているような様子はない。ガスは濃く、視界は不良と言ったところだが、いったいどうするべきか。戦わずして撤退することになるだろう見通…
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山登ってみよう【奥穂高岳・中編】

 涸沢ヒュッテは、冬季には完全閉鎖されるのだそうである。場所柄雪崩に見舞われることがしばしばで、いろいろ大変そうだ。デアゴスティーニが発売している「日本の名峰DVD付きマガジン」のごく早い巻では奥穂高が取り上げられており、内容は元スキー選手が残雪の奥穂高でスキーを滑るという逆張りを狙い過ぎた頓珍漢な内容だったのだが、とにかくその中で毎年…
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山登ってみよう【奥穂高岳・前編】

 奥穂高岳は、穂高連峰の盟主ともいわれる山で、その標高は3190mに達し、日本で第三位の高峰ということになる。一位は言わずもがな富士山で、二位はかつて登頂を断念した北岳。それに続く標高を誇る。ちなみに、奥穂高に次ぐ高さの山は、3180mの槍ヶ岳で、日本第五位。実は南アルプスの間ノ岳が奥穂高と同率の第三位タイなのである。余談ついでに北岳の…
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山登ってみよう【奥穂高岳・序】

 穂高岳を飾る二つ名は枚挙にいとまがないが、多くの伝えようとするところはおおよそ似通っている。例えば「岩の殿堂」というような通称が典型的にそうなのだが、穂高の名を冠する巨大な山群は、いずれも荒々しい岩肌をその身にまとっており、どこを切り取っても穏やかさとは程遠い険阻さを見せつけている。その一点をもってしても国内で他に並び立つものがなく、…
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山登ってみよう【笠ヶ岳・後編】

 小屋泊まりも数度目になると、いろいろな知見が蓄積されてくる。冷池山荘の太っちょや槍ヶ岳山荘の頭痛などの失敗を乗り越え、今回は部屋の中の誰よりも早く、19時過ぎには眠りについたのだけれど、空気薄めの高地の山小屋では、くたくたに疲れた状態でもぐっすり眠るというわけにはいかないらしい。浅い眠りの中、夜半に何度か目を覚ました。最初の時、窓の外…
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山登ってみよう【笠ヶ岳・中編】

 ほぼほぼ平坦な杓子平を歩き抜くと、再び登り坂が始まった。岩が転がり、一見すると歩きやすい印象ではないけれど、荒廃しているわけではないので、意外に足元はしっかりしている。そして予想通りだけれど、やはり始まった。簡単に息が上がる。しかも今日は、軽い頭痛と吐き気もある。程度は軽いが、完全に高山病である。いつ果てるともわからない登り坂の途中で…
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山登ってみよう【笠ヶ岳・前編】

 笠ヶ岳は、奥飛騨の山である。無名の山というわけではなく、その端正な山容からむしろ有名な山の部類に入り、百名山の一座にも選定されてるのだけれど、近在の槍穂高連峰にも立山連峰にも属さず、したがって北アルプスの主だった縦走路からも外れた場所に位置しているため、そんなに頻繁に登られる山でもないらしい。同時に、県境の山である穂高と違い、岐阜県域…
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不安と決意の金華山

 福地山登山の計画が残念なことに終わってから早一か月。その後も、週末の旅に軽登山の機会をうかがってきたのだけれど、今年の梅雨は例年にも増して不順な天候が続き、この週末に至るまで雨の降らない日がないまま来てしまった。そして一方、笠ヶ岳登山の日は迫ってきてしまった。次の週末。予報では、来週半ばに梅雨は明ける。どうやら天運には恵まれたらしい。…
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梅雨晴間

 雨に煙る福地温泉は、しっとりとした佇まいで、まさに名湯と呼ぶにふさわしい風情を備えていた。これでこそ、わざわざこの地に足を運んだ買いがあったものだ…などと思わなければやってられない。その実は、梅雨の晴れ間を狙って福地山を登りに来たのだが、高山地方に晴れ後曇りの予報が出ていたのに、平湯峠を越えたあたりから小雨がぱらつきだし、福地温泉の温…
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山登ってみよう【縦走東海自然歩道・寺島~油山峠~牛妻坂下・後編】

 谷沢と書いてやざわ。大山山頂を踏んだ後、次に目指すことになる集落の名らしい。が、そこに通じるはずの道は、指導標がなければ見落としてしまいそうなほどに影が薄かった。影が薄いというか、笹類が繁茂していて、どこが道なのか非常にわかりにくい。事前に得ていた情報通りとも言えるのだけれど、笹盛りを迎える前を狙いすましてこの時期を選んだ甲斐もあって…
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山登ってみよう【縦走東海自然歩道・寺島~油山峠~牛妻坂下・前編】

 東海自然歩道静岡県コースのうち、大山~油山峠の区間に関する評判は芳しくない。華に欠けるのは静岡県コースのほぼ全般に共通する弱みのようになりつつあるが、この区間最大の欠点は、劣悪な維持管理状態のただ一点に尽きる。二十年ほど前のガイド本を見ても、比較的最近のネットの踏行記を見ても、大山は藪山で、油山峠では道が崩壊しているという記述は、およ…
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令和最初の九州旅・その6

 今日の本命は、長らく行きたい行きたいと言ってきた大和ミュージアムである。これに大久野島を乗せたかったのだが、島に渡る船の出航時刻の都合で、大久野島は今回見送ることになった。ミュージアムの開館時刻を意識しつつ、アストラムラインを取ろうとすると、だいたい6時を回ったころから行動を開始すれば良さそうだ。わりと遅い時間帯だと胸をなでおろす心境…
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令和最初の九州旅・その5

 博多駅から、新幹線ひかり号に乗ったが、虚を突かれた思いがした。10連休もそろそろ終わりが見えてきて、我を見失って九州まで長めの旅行にやって来た勢も、そろそろ帰るべき我が家を目指し、大挙して東に向かう新幹線に乗り込むものと思っていたのに、そんなこともない。ひかりの自由席車両はのぞみのそれより多めに編成されているとはいえ、それにしても余裕…
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令和最初の九州旅・その4

 大都市近郊で鉄道路線が増え、それに属する駅が増えるというのは良くある話である。首都圏は言わずもがな、政令指定都市を抱える大型県の周辺でも、ごく当たり前のようにそういうことが発生する。古くから100万以上の人口があった福岡市周辺で路線数が多くなるのも当たり前のことなのだが、こと福岡に関しては、他の地域にはない傾向が見られる。一般には、地…
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